少し前にTwitter界隈で飲み会の幹事をやって儲ける方法といった投稿が炎上していましたが、私の知人にもそれと同じことをやっている人がいます。出会いをビジネスにすることは可能ですし、確かに、そこに需要はありますが、あまりにその価格設定と参加者が得られたと感じる価値が違い過ぎると、そのビジネスは成り立ちません。
今回は、そんな知人の事例を反面教師に、ビジネスを楽に続けたいと願うなら、絶対にやってはいけないことについてお伝えします。
知人が主催する飲み会の事例
私には、毎晩のようにコロナ禍の今でも飲み会を主催し、小銭を稼いでいる知人がいます。友人の紹介で出会い、昔は面白いイベントも主催していたので、年に1回会うか会わないか程度の知り合いです。
最近でも、毎週のようにお誘いのLINEが来ていたので、それだけ頻繁に飲み会を開催するのには需要があるのか、儲かるのか、それともあまりに人が集まらないので、誘い方が過剰になっているのかはわかりませんが、以前よりも必死さが増しているように感じます。
その知人のやり方はこちら▽▽▽
◇飲み会の価格設定を男性5000円前後、女性3000~3500円とし、20~30代の男女を50~100人規模で集客する
◇知り合いのバーなどを2時間程度貸し切って行っている
私も学生時代に100名規模の飲み会を過去に主催したことが何度かありますが、おそらくお店の規模や置いてあるお酒の種類を見る限り、そのバーを飲み放題付きで2時間貸切るのに必要なコストは15万円くらい。おそらくコロナ禍の今なら、売上が見込めない店舗が多いため、2時間10万円以下でも可能でしょう。
フードは近くの業務スーパーで仕入れているようなので、原価は100人分でも1万円以下。元々バーなのでフードが充実しておらず、一応用意しているといった感じなので、参加者は物足りないのは当たり前。私も過去に参加した際は、その前後で普通に食事をしていました。
そんな私の目算では、貸し切り型で行う場合、参加者が25~30名辺りが損益分岐点で、男性が多ければ多いほどその儲けは大きく、100名近く集まっていた飲み会の売り上げは一晩で15万円近いのでは!?という感じで、必死に人を集めているのも納得です。
一時的に稼げるかもしれないが、失うものは多い
一晩で15万円も稼げればすごくいいですよね!?
しかし、その知人は、その15万円を得るために、必死に集客し、そしてその対価として大切なものを失っています。
その大切なものとは、『信用』です。
値段設定がそこまで高くなくても、参加者の多くがその価格ほどの価値はなかったと感じる飲み会を開催してしまってはまた参加したいと感じる人は少なく、新たなカモを沢山集めなければそのビジネスは成り立ちません。
たった1回の飲み会でも期待していたハードルを大幅に下回ることがあれば、〇〇さんが主催する飲み会に行けば楽しいし、いい出会いもありそうといった参加者の信用は簡単に失墜してしまうからです。
その知人も、やり手の経営者や起業を目指す若者が集う異業種交流会や、外国人が多く参加する国際交流会など、コンセプトのある会を主催することが多かったため、私も何度か参加させてもらったことがありましたし、当時も同程度の価格設定でしたが、実際に経営している人から実りある話が聞けたり、英語で外国人と会話する時間が持てたりと、参加者の目的が果たせるものだったので、その満足度も低くなかったように感じます。
しかし、数年前から、なぜか、ただ集まって飲んで騒ぐだけの会を毎晩のように開催するようになったことで、必然的に参加者の満足度は下がり、おそらくリピートする人も大幅に減っているはずです。実際に、私も、2年程前最後に参加した飲み会は初参加の人ばかりで、年齢も参加した目的もバラバラで、他の参加者と共通する話題もなくお世辞にも有意義だったとは言えず、時間とお金の無駄だったと感じたことで、今までプラスのイメージが消え、それ以降のお誘いはすべて断るようになりました。
リピートする人が減るということは、また新規集客をしなければならない手間が増えるということを意味します。
顔がとても広い知人でしたが、おそらく、私のように感じて距離を置いている人は多く、コンセプトのある会をやっていた時の方が、ターゲットが狭かったにもかかわらず、リピーターが多く、友人を連れてくる人も多くいたため、集客の手間が格段に少なかったと推測できます。
確かに、参加者を絞らず、誰でもとりあえず集まって楽しく飲みましょうという会の方が集客しやすいのかもしれませんが、一度落ちた信用を回復させるのは至難の業で、おそらく過去のような口コミでの集客はもう期待できません。まさに自分で自分の首を絞めてしまった形です。
ビジネスは顧客が満足してこそ楽に続けられる!
今回は飲み会ビジネスを例に挙げましたが、どんなビジネスにおいても、顧客から搾取するビジネスを続けることは難しく、多くの人に喜んでもらえるビジネスの方が、最初の利益は少ないかもしれませんが、口コミや紹介で集客ができるため、楽に続けられる場合が多くあります。そして、誰かから搾取するより、誰かに喜んでもらえた方が、精神的にすごく楽なのは言うまでもありません。
綺麗ごとではなく、人に喜ばれることをやり続けるだけで、ビジネスが成り立つことはよくあります。誰も雇用せず、1人で固定費をかけずにやるなら、生活できる程度に稼ぐことも十分可能です。
もし、自分で事業をしたいと考えるのであれば、ぜひ人から喜ばれるビジネスを起こしてください。